ジャズの歴史には、あまりにも早くこの世を去ったミュージシャンたちの名前が、悲しいことに散見される。そのリストの中に、コントラバス奏者のダグ・ワトキンスも含まれている。彼は1962年2月5日、27歳で自動車事故により命を落とした。ドラマーのフィリー・ジョー・ジョーンズと共演するため、サンフランシスコへ移動中の事故だった。
ワトキンスはあまり知られていないかもしれないが、ジャズ・メッセンジャーズのオリジナル・メンバーとして、またブルーノート、プレスティッジ、アトランティックのアーティストたちのセッションにサイドマンとして活躍した実績から、ジャズ史に名を刻むに相応しい存在である。そして、彼が自らの名義でレコーディングした2枚のアルバム『ワトキンス・アット・ラージ』(1956年)と『ソウルニック』(1960年)を聴けば、その評価はさらに高まるだろう。
1934年3月、デトロイトに生まれたダグ・ワトキンスは、まさにこの街の音楽的息吹を受け継いだ存在であり、後に伝説となるドナルド・バードやジャッキー・マクリーンといったミュージシャンたちと共演していた。
1950年代中盤にニューヨークへ移住したワトキンスは、ヴァン・ゲルダー・スタジオで録音された数多くの有名なブルーノート・セッションに参加した。その中でも、ハンク・モブレーとの共演アルバムが特に有名であり、モブレーが1955年にリリースしたデビュー・アルバム『ハンク・モブレー・カルテット』では、ホレス・シルヴァーやアート・ブレイキーと共演した。またリー・モーガンの『キャンディ』、ドナルド・バードの『フュエゴ』や『バード・イン・フライト』にも参加している。特に1960年の『バード・イン・フライト』のセッションで、バードが作曲した「ガーナ」では、ワトキンスが奏でるブルーノートを代表する名フレーズがオープニングを飾り、モーダルなフックがしっかりと響き、ドナルド・バード初期の傑作を彩る、素晴らしい演奏を披露している。
バードがブルーノートの新星として独自のサウンドを打ち出したこのアルバムで、ワトキンスはレジー・ワークマンと共にベースを担当している。ハンク・モブレー、ジャッキー・マクレーン(モブレーの曲にはワトキンスが、マクレーンの曲にはワークマンが参加)、デューク・ピアソン(ピアノ)、レックス・ハンフリーズ(ドラムス)が共演者として名を連ねている。
ワトキンスは多くのブルーノート・セッションに参加しただけでなく、ジャッキー・マクリーンのデビュー作『Presenting… Jackie McLean: The New Tradition』(Ad Lib)や、最も有名なソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』(プレスティッジ・レコード)など、他のレーベルからリリースされた作品にも数多く出演している。しかし、ワトキンスが最も広く知られているのは、アート・ブレイキーとホレス・シルヴァーによるジャズ・メッセンジャーズの一員としての活動である。彼は1955年のブルーノートでのジャズ・メッセンジャーズのデビュー作や、シルヴァーの『6・ピーシズ・オブ・シルヴァー』にも参加している。
ホレス・シルヴァーの自伝『Let’s Get to the Nitty Gritty』によると、ワトキンスとシルヴァーは、他のメンバーの薬物問題に起因するハラスメントを受けて、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズを離れたという。余談だが、チャールス・ミンガスが1961年に一時的にピアノに転向することを決めたとき、彼がベース奏者として呼んだのはワトキンスだったと言う。
1956年12月8日にニューヨークで録音されたデビュー・アルバム『ワトキンス・アット・ラージ』をリリースした時、ワトキンスはわずか22歳だった。
このアルバムは、トム・ウィルソンが運営していたボストン拠点のトランジション・レコードからリリースされ、1950年代中盤のハードバップの中でもあまり評価されていないアルバムの一つとされている。ワトキンスは、旧友のドナルド・バード(トランペット)、デューク・ジョーダン(ピアノ)、ケニー・バレル(ギター)、アート・テイラー(ドラム)といった豪華なメンバーを招き、このセッションを行った。ワトキンスのベースはその存在感を際立たせており、「モア・オブ・ザ・セイム」や「フィナッピ」といったドライブ感溢れるハードバップから、「パノニカ」のような物悲しいブルースまで、幅広い表現を聴かせている。
1960年には、ニュー・ジャズ・レーベルから『ソウルニック』を発表した。このアルバムでは、ワトキンスのクインテットにユセフ・ラティーフや、デトロイト時代からの仲間であるベーシスト・ハーマン・ライト、ピアニストのヒュー・ローソン、そして『バード・イン・フライト』のセッションでも共演していたドラマーのレックス・ハンフリーズが参加している。
トランジション・レコードから発売された『ワトキンス・アット・ラージ』のオリジナル盤は現在、500ポンドから1,500ポンドの高値で取引されている。このアルバムのブルーノート「トーン・ポエット」エディションは、豪華なティップオン・ジャケットに8ページのブックレットが付属しているので、ぜひ手に入れたいところだ。
アンディ・トーマスはロンドンを拠点に活動するライターで、『Straight No Chaser』、『Wax Poetics』、『We Jazz』、『Red Bull Music Academy』、『Bandcamp Daily』に定期的に寄稿している。また、Strut、Soul Jazz、Brownswood Recordingsのライナーノーツも執筆している。
ヘッダー画像: Doug Watkins。写真: Francis Wolff / Blue Note Records。