2019年に創立50周年企画を迎えたECMレーベル。その所属のアーティストにECMについて語ってもらう「ECM artists talking about ECM」。第4回目は大注目のギタリスト、ヤコブ・ブロ。
■My Favorite ECM Album
とってもたくさんあるのだけどどうしても1枚というのなら以下になります。
ポール・モチアン・トリオ『ア・ロング・タイム・アゴー』
『It Should‘ve Happened A Long Time Ago』 Paul Motian Trio
■ECMと契約したきっかけ
僕はポール・モチアン&ジ・エレクトリック・ビバップ・バンドで2003―2008年の5年間演奏していました。ポール・モチアンを通じて僕はマンフレートに会いましたが、最初は2004年にのポール・モチアン・バンドの『Garden of Eden』という作品のレコーディングにニューヨークに呼ばれて、そこで会ったのが初めてでした。そのアルバムがリリースされたころ、僕はモチアンとヴィレッジ・ヴァンガードでライヴをしていましたが、そこでポールがマンフレートが僕の演奏を気に入っていると教えてくれました。もちろんとっても嬉しくエキサイティングでした!その後、マンフレートはトーマス・スタンコに僕を推薦してくれて2009年の彼の作品『Dark Eyes』に参加し、その後2015年にトーマス・モーガン(b)、ヨン・クリステンセン(ds)のトリオで録音した『Gefion』でようやくECMデビューを果たすことができました。
■あなたにとってのマンフレート・アイヒャーとは?
僕にとってマンフレートは、ユニークかつ審美的で確かな音楽ヴィジョンを持った人。彼がこれまで築き上げてきたものは、とてつもないもので、僕は彼のレーベルの一員でいられることにとても感謝しています。これまで4枚のリーダー作をECMから出してきましたが、マンフレートは最終結論において大きな影響を残しています。音楽を録音するとき、選曲をするとき、ミキシングやシークエンスに関してなど、全てにおいてマンフレートは音楽全体を大きな視点からとらえることのできる人で、そういった人はとてもレアだと思います。音楽の重要な部分を聴き、そこを引き出し、輝かせることのできる才能を持ってるのです。
■未来のECMに期待することは?
ECMから今後リリースしたいと思っているプロジェクトがいくつかあります。
中でも次に出したいのは、マーク・ターナーをサックスに迎え、トーマス・モーガン(b)、ジョーイ・バロン(ds)とのカルテット作品。このカルテットで2020年1月にヴィレッジ・ヴァンガードで1週間のライヴが決まりましたので2020年の春にマンフレートのプロデュースの下、スタジオでレコーディングできればなと思っています。
MEMBER
Jakob Bro (g)
Thomas Morgan (b)
Joey Baron (ds)
Header image: Jakob Bro. Photo: John Rogers / ECM Records.