ECMのアーティストにECMについて話を訊く本企画、第13回目は今年の来日公演も大いに盛り上がり、10月に新譜『ダンス・オブ・ジ・エルダーズ』をリリースしたギタリスト、ウォルフガング・ムースピールに話しを訊きました。

© Zuzanna Gasirowska, 2023 ECM

■ My Favorite ECM Album

ケニー・ホイーラーの『Gnu High』。デイヴ・ホランド、ジャック・デジョネット、キース・ジャレットら、ECMのリーダー格で大活躍しているミュージシャンたちが夢の共演を果たしている作品。驚くほど素晴らしく、そしてパーソナルな作曲と、絶え間ないテレパシーのようなグループのインタープレイ。キースがケニーのために即興で作曲する様子は、最高レヴェルの共鳴を体感できます。

■ ECMと契約したきっかけ

ボストンのバークリー音楽大学でゲイリー・バートンと出会い、クインテットに招かれたことをきっかけに1995年から2002年までニューヨークを拠点に活動していました。マーク・ジョンソン、ゲイリー・ピーコック、ポール・モチアンらのアルバムにも参加し、その後

2012年の『Travel Guide』で、ギタリストのラルフ・タウナー、スラヴァ・グリゴリヤンとのギター・トリオのメンバーとしてECM作品に初参加し、2014年、ベーシストのラリー・グレナディアとドラマーのブライアン・ブレイドというアメリカのトップ・ジャズ・プレイヤーをフィーチャーした『Driftwood』でECMリーダー・デビューを果たして以来は、私はすべてのアルバムをECMからリリースしている。私が所属しているレーベルであり、私がジャズを知ったレーベルでもあります。

■ あなたにとってマンフレート・アイヒャーとは?

マンフレートは先見の明があり、そのセンス、意志、好奇心がこれまでのECMの全ての録音を可能にしたのだと思います。

■ ECMに期待することは?

ECMには、これからも商業的なルールに支配されることなく、質の高い仕事を続けてほしい。

■ 日本のファンへのメッセージ

私は、また自分のトリオで再び日本でコンサートをするために努力しています。日本の聴衆やファンのために演奏するのが大好きです。皆さんの音楽に対する評価は深いものだと思っています。

  

ウォルフガング・ムースピール『ダンス・オブ・ジ・エルダーズ』

発売中